上司の陰口や会社の悪口を言いふらして職場崩壊させる不満拡散型社員の特徴と対処

仕事ぶりはテキパキ行なうのに、上司の陰口や会社の悪口を吹聴してまわり、会社や職場崩壊の危機へと陥れる不満拡散型社員。
こうした社員は、扱い方を間違うと会社や職場を崩壊させる可能性が高く、多くの企業経営者や管理職、人事担当の頭を悩ませます。

今回は、不満拡散型社員の特徴と対処についてお伝えします。

不満拡散型社員の行動

不満拡散型社員の存在確率は当社「ココトレ」のデータをもとにすると、全体の3%ほどに該当します(つまり、100人いたら3人ほどは「不満拡散型」)。彼らには共通して、以下の行動パターンが見られます。あなたの周囲にいる方はどうでしょうか。

1.明るく愛想があり社交性が高く、面接では第一印象が良い。
2.記憶力が良く、分析的で常識的な、もっともらしい意見を述べる。
3.要領が良く、空気や立ち位置を読んで立ち振る舞う。
4.決められた作業はテキパキとこなすが、それ以上のことは一切しない。
5.仕事の流れや内容が不透明な場合、上司のいない所で愚痴や不平不満を漏らす。
6.あることないこと噂を流し、陰口や悪口を言いまわって上司や同僚を追い込む。

不満拡散型社員の特徴と問題行動を起こす理由

不満拡散型社員は、なぜ職場を崩壊させる陰口や悪口、噂を広めるような行動を取るのでしょうか?その理由や背景は主に以下の3つに集約されます。

①組織内での立ち位置(地位・評価・報酬)を獲得したいから。

不満拡散型社員は、もともとの能力・個性として、情報を集める力や場の空気を読む力に長けており、損得勘定で物事を判断・決定しています。政治力(パワーバランス)を持つのは誰なのか、誰の下に付けば自分が有利になるのか、を幼少の頃より自然と培っているのです。

仮に、口では「皆のために」などと言ったとしても、特段本人に成し遂げたい信念や想いがあるというわけではなく、あくまでも所属する組織の中で相対的に高い地位や評価、報酬を得たいだけ、という場合が多いです。

組織内でパワーのある人について回るので、手のひら返しが得意ですし、それを指摘されたとしても開き直っているので、恥とも何とも感じません。それ故、通常の感覚とは異なるので発見が遅れやすいといえます。

②サボってラクしたいから。

不満拡散型社員は、できる限りサボってラクしたい、と考えています。これは、単にサボるということではなく、「できる限り労力をかけず、自分の給与に見合うだけの成果を上げる」ことを第一に考えているのです。

仕事をシステム化してくれたりするならば会社にとっても有益ですが、彼らは既存のやり方を変える変革アクションは決して起こそうとしません。なぜならば、組織内で立ち位置を獲得することが目的であって会社を変えることが目的ではないからです。
そこで、彼らが行なうことは「潜在的に職場が持つ欲求を察知する」「耳心地の良いことを言ってエサをちらつかせる」「上司や同僚、取引先に貸しを作る」ことです。これらを上手に活用して、自分が動かなくても誰かが動いてくれる状況を作り出しています。

③言わずにはいられないから。

不満拡散型社員は、自分が重要で有能であることを周囲にひけらかしたいと考えており、また、周囲に対して情報操作するために、作業をできるだけ手早く済ませてユーモアを交えながら、とにかくしゃべります。

一部の事実に大部分の憶測を交えて、さもそれを知っているかのごとく、かつ客観的な立ち位置であるかのようにしゃべり続けるので、周囲は次第に「この人が話していることは真実なのでないか」と信じ込まされてしまいます。
そうして周囲を思いのままに操作できることに快感や成功体験を覚えているため、言わずにはいられない状態になっているのです。

このような理由と背景から、不満拡散型社員は自らが行なうことが職場を崩壊へと導いているのです。この不満拡散型社員で、特に知能の高い人のことを世間的には「サイコパス」と言います。
放置すると、気がつけばいつの間にか経営者や管理職が孤立して包囲されている、ということもしばしばですので本当に注意が必要といえます。

不満拡散型社員に対処するには?

不満拡散型社員は自信家が多く、社内の政治的な敵を追い落とし、組織のナンバー2や3あたりで責任を負わずに高い報酬を得ることを目指します。そのため、社内の情報を収集して「誰が悪い」「誰が何をした」という報告を頻繁に上司や経営者に上げてくるでしょう。

企業経営者の配下には、大抵こうした不満拡散型社員が何割かは紛れ込んでおり、「会社をもっと良くしよう」という現場側の動きを阻害します。ただ、経営者のほとんどはそのことを感知できず「なぜ我が社は改革が進まないのだろうか?」といぶかしがるといった有様です。

口が立つ割に仕事ぶりは受け身で、自ら提案を持ってくることはないため、じっくり観察していると誰が不満拡散型社員で、組織を停滞または破滅に追い込んでいるのかが見えてくることもあります。

そもそも不満拡散型社員は、自らの在り方・やり方が正しいと思い込んでいるため、それを大幅に超える能力や人徳を有する人が直接指導するのでない限り、「育成や矯正などは『不可能』」です。

では、実際どう対処すれば良いか?の選択肢は正直、以下の3個しかありません。

①本人の希望を叶える

不満拡散型社員は、「組織内で相対的に高い役職・給与を狙う」ことが目的なので、本人の希望を汲んだうえで、部署異動・職種転換を行なって、本人の希望する役職や業務に据えてあげることです。
通常は、広報や経営企画、営業統括といった花形といわれる仕事に就きたがるケースが多いので、徹底した管理下に置いて仕事をさせると良いかもしれません。尚良いことは、彼らが得意な「情報収集・情報操作」ができない、人間関係的に閉じられた環境に持っていくことです。
そうすることによって、水面下でクーデターを起こす確率も低くなるでしょう。

②退職させる

職場の人間関係が崩壊しつつある、取引先に対して自社のあることないこと言いふらされて信用問題に発展した、ということであれば退職していただくのが良いでしょう。
その場合は、本人に気づかれないように周到な用意が必要となります。
まずは、社内外に影響を与えない部署・職種に異動させます。その際に大切なのは、社内外に不必要に連絡を取らせないことですので、連絡先などは削除するように目の前で行なわせます。
そのうえで、情報操作による社内外の信用問題に発展していることや職場内の風紀秩序を乱していることを「就業規則上の服務規律」に基づいて本人に何度か注意し、改まらない場合に「評価を下げる」「役職を下げる」「給与を下げる」ことを行なえば、すぐに本人から退職してくれるでしょう。組織内で高い役職・給与を得られないわけですから。

③入社させない

何よりもこうした人を入社させない、というのが会社としては本当に一番ですが、残念ながら面接ウケが非常に良いため「面接で判断することはほぼ不可能」です。

しかし、『ココトレ』を使えば、不満拡散型社員の95%以上は発見することが可能です。

既存社員に対してもココトレを使うことで、同じように発見することができますので、早期に対応してトラブルを防いでいくことが可能です。
実際にあったケースでも、早期にわかっておくことで、会社側が本人の望むポジションと報酬を用意してあげたことで人事トラブルになるのを未然に防止することができました。不満拡散型社員本人にとっても、自分のポジションが確立されることはとても大切なのです。

経営方針として「本人のやる気や可能性を信じたい」、また、人手不足の時代なので「簡単に辞めさせたくない」という会社もあります。ココトレを活用することで、その会社の考え方に合わせた対処が可能といえます。

これを機会に、ぜひココトレを活用ください。

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一本亮
本コラムの執筆者プロフィール
ココロデザイン株式会社 代表取締役一本 亮

1978年生まれ。福岡県福岡市出身。東京海上日動火災保険株式会社等の勤務を経て、健康食品メーカーであるキューサイ、化粧品や医薬品を製造販売する新日本製薬の人事部門で組織編成を始め、採用・教育・人事制度・労務管理等の人事実務全般に従事し、制度設計と運用の両面で成果を残す。
2014年ココロデザイン株式会社を設立、ベンチャー企業~東証一部上場企業に至る人事戦略から実務に至るコンサルティングを手掛ける。2018年、人事経験をベースに人材定着・育成に有効なクラウド型定着検査サービス「ココトレ」をリリース。中小企業のみならず上場企業や大学等の教育機関も活用。

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