何で自分ばかり頑張らないといけないのか、と感じた経営者が読むコラム@

会社経営をしていて、こんな事に悩んでいないですか?

⓵社員や管理職が、経営者が期待する成果を出せなくてイライラする

②任せるよりも自分がやった方が早いと考え処理してしまう

③結果、社員や管理職は自己成長・やりがいがないと感じ退職してしまう

④やるべき業務がますます自分ひとりに偏ってしまう

⑤自分しかできない仕事が増え、休みもとれず、ずっと働く状況が続く

⑥状況を打破するために新しい社員や幹部候補を採用する

もし似たような状況に今あなたがいるならば、既にその組織は機能しておらず、いくら成果をだそうと躍起になっても、無駄な努力に終わる可能性が大きいでしょう。

なぜなら、成果を出し続けている組織には、押さえるべき原理原則があるからです。

しかし世の中の多くの経営者がその原理原則を知らずに、ただ思うがままに組織をつくり社員をマネジメントしようとして、結果的に成果をだせず上記のような負のスパイラルに陥っています。

そこで、今回のコラムでは、
成果を出し続ける組織には一体何が必要なのか?
幹部や社員に成果を出してもらうにはどうすれば良いか?

についてお話します。
ただし、今からお伝えする事をやったからと言って、即成果がでる訳ではありませんし、お手軽に出来る事でもありません。

もしあなたが、すぐに成果をだしたい、手軽な方法を知りたいと思っているのであれば、この先を読んでも時間の無駄になってしまいます。
なので、本気で組織や社員を変えたいと思っている経営者のみ、この先をお読みください。

「集団」or「組織」
成果を上げるには役割と協力が必要

そもそも組織とは?
ちょっと考えてみてください。
「集団」と「組織」の違いは何でしょうか?

「集団」と「組織」は一見似たような言葉ですが、その間には大きな違いがあります。ちなみに、満員電車の中にいる人々は「集団」でしょうか?「組織」でしょうか?

答えは…「集団」ですね。
一般的に「集団」とは、人や動物、また、ものが集まってひとかたまりになることを意味し、そこには組織に必要な要素が全くありません。

では、サッカーチームはどうでしょうか?
相手チームよりもできるだけ多く点数を取ることを目的としている人たちの集まりであるだけでなく、その目的にむかってお互いに協力して相手からボールを奪ったり、パスをまわしたりしますので、サッカーチームは「組織」といえそうですよね。

このように、目的を共有するだけでなく、お互いに協力しあったり、そのために役割分担をしないといけない状況下でないと、組織にはなりえません。

つまり、組織」とは、『目的を実現するために2人以上の複数の人が役割を分担して、必要な資源を共有し活用しながら協働する人の集まりのことであり、人が集まり協力する事で相乗効果を生み出す点で大きく「集団」とは異なります。

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成果を出せる組織に備わっている要素

成果を出せる組織とは?

2018年9月、広島東洋カープがセ・リーグで3連覇を達成しました。セ・リーグでの3連覇は巨人とカープの2チームのみとなります。カープと言えばひと昔前には「鯉のぼりの季節まで」と言われ、「カープ=鯉」ゆえに端午の節句にひっかけ、5月5日のこどもの日を迎えるくらいまでは絶好調で、5月半ば頃から失速して沈んでいく……そんなニュアンスが込められた、野球界の言わばジンクスでした。

他球団にと比べても決して恵まれた環境ではなく、プロ野球チームで唯一の市民球団という事もあり金銭的には非常にシビアで、選手が活躍して年俸が高額になると他球団への移籍も積極的に認めている球団がなぜこれ程までに成果を出し続ける事ができるのでしょうか?

成果を出せる組織の原理原則

スカウトの目が確かであるとか、活躍して高額な年俸になった選手が移籍した結果、新人が活躍する場ができる等細かい要因は沢山あるのですが、何と言っても成果をさせる組織作りの原理原則を満たしている事が大きいと思われます。

それでは、組織の原理原則とはどのようなものなのか、詳しく見ていきたいと思います。
組織の原理原則は2つの要素で構成されます。

1.組織の4要件
2.感情の3法則

この2つを所属する全員が常に意識すれば、組織は成果を出せる!という事になります。

組織の4要件

まず1つ目の組織の4要件とは、具体的には以下の4つを指します。

①目的の共有
②役割の分担
③資源の共有
④意思疎通と協働

目的の共有

目的の共有とは、組織やチームがどこへ向かおうとしているのか、どのような成果を求めているのかなど、向かうべきゴールや期待する水準をメンバー全員が同じレベルで共有している状態を言います。

たとえば目的の共有ができてないと、部下に「何のための仕事か」を伝えていないので部下は言われた事しかやらなくなったり、何をどこまでやれば良いのかわかっていなくて上司の思う目標水準・品質水準を満たさない等といったことが現場で頻繁に起こってきます。

役割の分担

役割の分担とは、誰がどのような業務をどこまで責任を持ってやるのかを明確にする事です。

たとえば役割の分担が不明確だと、例えば、部下に役割そのものが伝わらなくて要領の良い部下だけが仕事ができるようになったり、どこにも所属しない仕事を誰がすべきかわからず業務量が特定の人に偏ってしまう、と言ったことが起きやすくなります。

資源の共有

資源の共有とは、会社のブランド、設備、備品、情報、ノウハウなどのいわゆる経営資源(「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」)を皆で活用する事です。

たとえば資源の共有が出来ていないと、仕事がマニュアル化・伝統化されていないので人によって考え方ややり方がバラバラになったり、「仕事の仕方を見て盗め」となって部下が育つのに非常に時間がかかるか、辞めてしまう、と言ったことが起きやすくなります。

意思の疎通

意志疎通と協働とは、互いの考え方や意思をしっかり確認し合い、協力して共に働くと言うことです。

たとえば、意思疎通と協働が不十分だと、言いたいことを言えないので人間関係に溝ができてしまったり、協働せず縦割りに動くことでお互いを理解できず、他責にする人が増えてしまう、と言ったことが起こります。

あなたの会社はいかがでしょうか?

感情の3法則

感情の3法則とは、「安心の法則」「充実の法則」「希望の法則」をひとまとめにした呼称です。

人間は感情を持つ生き物で、安心感があり、やりがい・充実感を感じ、未来に対する希望を持てると、前向きな力を発揮できると言う原理原則があります。

いくら組織の4要件を満たしていても、その組織では安心して働けず、やりがいや充実感も無く、未来に対して希望が持てなかったらとしたら、働き手はモチベーションを高く持って働く事はできません。

なので、経営者は社員が前向きな力を発揮できるようこの3法則を実現できるような職場環境を作っていく必要があるのですが、具体的に実現しようとすると、給与を上げないといけない、休暇を増やさないといけない、福利厚生を充実しなければいけない等と社員の待遇改善ばかりに目がいってしまいます。

しかし、今回お伝えする方法は一切お金がかかりません。
とにかく経営者であるあなたの心がけ次第で3法則を満たせる魔法の方法をお伝えします。

そんなうまい話があるのか‥。そう、あるんですね。
では何をすればよいのか。

答えは『ポジティブな声かけ』をする、です。

例えば、「安心の法則」なら、

・いつも助かっているよ、ありがとう
・〇〇さんて〇〇なところが良いよね!

など、自分の悩みを安心して話せたり、自分の存在を認めてもらっていると感じられる声かけが効果的です。

また「充実の法則」なら、

・この1ヶ月で〇〇ができるようになったよね
・〇〇はできるようになったから、今度は〇〇をできるようになろう!
そうしたら、〇〇になれるよ

など、周りから期待されていると感じたり、成長実感が持てるような声かけが効果的です。

最後に「希望の法則」なら、

・このまま成長できれば、3年後〇〇を任せられるな
・5年後、会社は〇〇になっていて、君には〇〇を任せれるようにしたい

など、頑張ればうまくいきそうだと感じたり、自分の未来が明るいと感じるられるような声かけが効果的になります。

目標管理、行動管理だけでは足りない!
人間は感情を持つ生き物ということを忘れない

社員に成果を出せるための原理原則として、これまでは、成果を出すための組織作りには何が必要か(ハード部分)の話をしてきましたが、ここからは、社員(ソフト部分)の話をしていきます。

多くの経営者が社員に成果を出させるためにやっている事。最もポピュラーな方法として、「目標管理」があります。
社員に目標設定させて定期的に進捗状況を管理すると言う方法ですね。半年に1回とか、四半期に1回、多いところだと毎月末にといった感じで、社員と面談をして目標とのギャップを確認するわけです。

もう少し学習している経営者だと、目標管理に加え「行動管理」を行います。社員が成果に直結する行動をとっているのか、それはどの程度やっているのかなど、日常的な社員の行動をチェックして、成果につながりやすい行動をとるよう管理していくやり方です。

実際にこの「目標管理」や「行動管理」をきちんと運用すれば成果はでます。
しかし、残念ながら継続して成果を出し続ける事は難しい。

それはナゼか・・・?

答えは状態管理」が抜けているからです。

前述したように人間は「感情」を持つ生き物なので、前向きな力を発揮するためには、安心感があり、やりがい・充実感を感じ、未来に対する希望が必要で、その為には『ポジティブな声かけ』が重要だとお伝えしました。

実際、自分がすごく落ち込んでいる時に横で「頑張れ、やればできる!」なんて言われても正直ウザいでしょう。

つまり、今、社員がどんな状態(心・体・環境など)なのかを経営者は常に把握し、状態に合わせた声掛けをしていく事がポイントになります。

たとえば、ある経営者は毎日朝礼の前に社員全員とハイタッチをしてから業務に取りかかります。
毎日続けていると、ハイタッチの強さで社員の状態が分かるようになるとおっしゃっていました。そして、タッチに元気のない社員はすぐに呼び出し、面談をして抱えている問題を解決するようにしている、と。

状態管理のやり方は上記の方法だけでなく、アンケートを取る、検査ツールを使うなど、いろいろなやり方があります。当社のココトレを活用すれば、状態を高精度に見極めることが可能ですので、お試ししてみると良いかもしれません。

今回のまとめ
今回お伝えした事をまとめると、会社全体で成果を出していくには以下の事項を意識しながら組織運営をしていけば、「何で自分だけが頑張らないといけないのか」と言う状況から抜け出せるでしょう。

 

1.組織(ハード面)
①組織の4要件
・目標の共有
・役割の分担
・資源の共有
・意思疎通と協働
②感情の3法則
・安心の法則
・充実の法則
・希望の法則

2.ヒト(ソフト面)
①目標管理
②行動管理
③状態管理

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ココトレは社員の特性やココロの状態を知ることが出来、社員の教育や定着に活用できるツールです。

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一本亮
本コラムの執筆者プロフィール
ココロデザイン株式会社 取締役 COO光永 尚慰
1976年生まれ。福岡県京都郡出身。松本労務経営研究所での労務管理業務を経て、人事コンサルティング会社大手の㈱トランストラクチャとビル管理会社である東京不動産管理㈱にて、採用・教育・人事制度の設計・運用に従事した後、2012年に独立し、社会保険労務士事務所「コンサルタントエム」と人事コンサルティング事務所である「みんなの人事部」を設立。社労士として労務管理業務に携わりつつ、人事コンサルタントとして中小企業~地元大手企業の人事制度設計・運用支援業務を行う。
2016年、人事のプロを養成・輩出し、企業の組織強化と日本全体の活性化を目指す一般社団法人日本人事技能協会を設立し、代表理事を務める。2018年よりココロデザイン株式会社の取締役に就任し、経営者の「ヒト」に関する悩みを解決する経営支援ツール『ココトレ』の開発に参画する。