チームビルディングが企業にとって大切ということは、多くの方が認識していることでしょう。しかし、何をもってチームビルディングを行えばいいのかわからない、実は正確な意味がわかっていない、という方も多いのではないでしょうか。
チームビルディングとはその名の通りチームをつくっていくことであり、ビジネスにおいてその重要性は高くなっています。チームビルディングの意義やチームビルディングを行っていく方法についてご紹介します。
チームビルディングとは
チームビルディングとは、一つのゴールを目指し、複数のメンバーが個々の能力を最大限に発揮して進んでいく組織づくり、またはチームをまとめる手法のことです。研修やワークといったプログラムも含めてチームビルディングといいます。
チームビルディングのメリット
企業は社員という人の集合体であるため、意識して行動しなければただの集団になってしまいます。このような組織では成長や発展は難しく、生産性も上がりません。
強い組織をつくるためには、チームのメンバー一人ひとりが能力を発揮し、リーダーシップ力を備えることが必要です。そうした組織づくりがチームビルディングとなります。
チームビルディングの重要性
チームビルディングの重要性が謳われるようになったのは、ここ20年ほどのことです。それまではチームといっても全員がライバルであり、互いに協力しあうという意識は薄いのが普通でした。
しかし、現在は顧客ニーズの多様化や働き方の変化、新しいサービスの誕生など、めまぐるしく変わる状況にすばやく対応することが求められます。一人よりもチームで協力することで、自分の強みを存分に活かし、弱みをカバーしあうことも可能です。スピード感を持った臨機応変な対応が求められる現代だからこそ、チームビルディングが重要といえます。
そもそもチームとは?グループとどう違う?
「チーム」と似た言葉に「グループ」があります。なんとなく使い分けている、どちらも同じ意味、という方も少なくありません。どちらも「集団」という意味では同じ属性ですが、この2つには明確な違いがあります。チームとグループは、それぞれ以下のような違いがあります。
チーム…共通の目的がある
- 「大会に出る」「優勝する」「このプロジェクトを成功させる」などの目的があります。
グループ…職場の同期や学校のクラスメイトなど
- 同期でも部署が違う、クラスメイトでも部活が違うなど、同じ集団でも共通の目的はありません。
なぜチームビルディングが必要なのか
チームビルディングは共通の目的を達成するために行われます。目標達成ができるチームとはどのようなチームなのでしょうか。チーム(組織)に重要な要素、「GRIP」についてご紹介します。
「GRIP」とは、「Goal/目的」「Roles/役割」「Interpersonal Relationship/人間関係」「Process/段取り」の4つの要素で、この要素が満たされることで健全な組織をつくることができるといわれています。具体的な内容は以下のものが挙げられます。
Goal目的
- 目的が明確になっているか
- 適切なレベルの目的になっているか(達成可能な目的・挑戦要素のある目的)
- 全員が目的に賛同し、達成しようとしているか
- 達成イメージがあるか
- 達成のために他チームを参考にしたり、真似をしたりしているか
Roles役割
- それぞれの役割は明確になっているか
- 分担された役割を全員が共有しているか
- 役割に対して責任やこだわりを持ち、リーダーシップを発揮しているか
- 能力を活かせる役割分担になっているか
- 不明点の確認を怠っていないか
Interpersonal Relationship人間関係
- フォローしあうなど、全員が協力して取り組んでいるか
- チームメンバーを信頼しているか
- 全員が主体的に取り組み、意見交換などもスムーズに行えているか
- チーム全体に目標達成を目指す雰囲気があるか
- 適切なコミュニケーションが取れ、認識の相違が発生していないか
Process段取り
- 仕事の流れが明確になっているか
- 事前計画や作戦がしっかりしているか
- 段取りに無駄な工数が発生していないか
- 進捗状況の確認、状況に応じて工数の見直しや改善を行っているか
- 各役割の連携、コミュニケーションが図れているか
チームビルディングのステップは5つ!
それでは、「GRIP」を満たしたチームをつくるためには、どのようなチームビルディングを行えば良いのでしょうか。チームビルディングには5つのステップを経て発展していくといわれています。この説は「タックマンモデル」といわれ、チームの形成から解散まで5つのステップを示しています。
フォーミング(Forming)…形成期
チームがつくられたばかりの時期で、まだお互いのことを理解していません。チーム内に緊張感があり、目的に対する認識も共有されていません。
ストーミング(Storming)…混乱期
次はチーム内で亀裂や対立などが発生する時期になります。メンバーが意見やアイディアを主張するようになり、チーム内で対立が発生します。
ノーミング(Norming)…統一期
意見を交換しお互いを理解できるようになると、適切な役割分担も可能になります。いよいよ目的に向かってチームが同じ意識を持ちはじめる時期です。
パフォーミング(Performing)…機能期
メンバー同士、互いにフォローしながら役割を全うできるようになります。同じ目的に向かってメンバーがそれぞれ動き、リーダーがいなくてもチームが機能する時期になります。チームとしての団結力も高まった状態です。
アジャーニング(Adjourning)…散会期
目的を達成したチームは、最後に解散の時期を迎えます。
現在どのステップにあるのかを確認し、どんな研修やアクティビティが必要なのかを検討しながらチームビルディングを行います。そうすることで、「GRIP」を満たしたチームがつくられていきます。
チームビルディングの方法として、ワークショップやゲーム、スポーツ、研修を行う方法が挙げられます。スポーツや研修を通して「GRIP」がどれくらいできているのかを確認することができます。チームビルディングのためには社員一人ひとりの状態を把握することが大切です。チームビルディングの方法について知りたい方はこちらをご覧ください。
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